2024/07/16 3Dスキャン
今回は、「3DスキャンしたSTLデータ」と「リバースエンジニアリングによるCADデータ」はどういった場面で必要なのか?についてお伝えします。
例えば、製品検査で設計の3Dデータと3DスキャンしたSTLデータとを重ね合せて形状比較する場合、人の手が入ったリバースエンジニアリングのCADデータとは比較しません。
この場合はSTLデータがあれば良い事になります。
また、同様に断面図をつくって形状比較して寸法を調べたい場合も、3DスキャンしたSTLデータを使って断面図をつくれば良い事になります。
あえてリバースエンジニアリングでCADデータ化して断面図をつくる必要はありません。
figure.19は、設計の3Dデータと3DスキャンしたSTLデータ形状を比較した事例になります。
カラーマップの色で設計の3Dデータに対して出来上がった製品がどれだけ外れているかを表現しています。
リバースエンジニアリングによるCADデータは、種類がある事を以前のコラムにてお伝えしました。
これらは「目的」によって使い分けをする必要があります。
一例として、各種解析について代表的なものと言えば、強度剛性解析、流体解析、樹脂流動解析、電磁場解析などになりますが、これらの解析はデータのその後の使用目的とメッシュ生成ソフト、解析ソフトによってはリバースエンジニアリングの必要性はなく、STLデータのみで良い場面もあります。
3DスキャンしたSTLデータの特徴、リバースエンジニアリングのCADデータの特徴を十分に理解して活用用途に応じたデータの選択を行う事をお勧めします。
【主な用途】
・点群データ : レイアウト検討
・STLデータ : 製品同士の比較、寸法検査、3Dプリンタ造形
・オートサーフェースデータ : 隙間・干渉・搭載検討
・ハイブリッドモデルデータ : 隙間・干渉・搭載検討、強度剛性解析
・フルリバースモデルデータ : 再設計・設計変更、解析メッシュ作成、2D図面化
以上になります。
第1回~9回にわたり、3Dスキャン及びリバースエンジニアリングの活用場面やデータの特徴についてご紹介させて頂きました。
次回からは、弊社所有の3Dスキャンを使い測定操作などご紹介出来ればと思いますのでご期待ください。
<前回記事:【第8回 3Dスキャン後のCAD面の特徴】>
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