COLUMN

デジタルエンジニアリングコラム

2023/04/27 3DCAD

トップダウンとボトムアップ、どちらを使えばいいの?

前回、前々回と、「トップダウン設計」と「ボトムアップ設計」についてお話ししてきました。
「トップダウン設計」のコラムはこちら
「ボトムアップ設計」のコラムはこちら

結局のところ、これら2つの設計手法はどのような場面で使い分けていけばいいのでしょうか?

以下の表に、それぞれのメリットとデメリットを簡単にまとめました。

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「トップダウン設計」では、前々回のコラムで解説した通り、常に全体の状況を見ながら設計するため部品同士の関係性を把握しやすいというメリットがありました。

これにより、構想の段階から行っていく新規設計に非常に適しています。

「トップダウン設計」は全体の状況を分かりやすくする特性上、基本的にアセンブリファイルの状態で設計を進めます。

そのため、設計する部品が多くなればなるほど、アセンブリファイルを構成する部品同士の関係性(構成部品間のリンク)の扱いが難しくなってしまうデメリットを持っています。

構成部品間のリンクとは、アセンブリファイル上で部品を作成する際に、それぞれの部品の位置関係や大きさなどを関連付けることを指します。
例えば、製品全体のサイズを変えると、それに連動して各部品の位置や大きさを変えることができます。

これが「トップダウン設計」のメリットに繋がる一方で、闇雲に関連付けを行ってしまうと、本来であれば関係のない部品同士にも関わらず形状変更によってエラーを引き起こす原因にもなってしまうのです。

そのため、特に会社やチームなど、複数人で設計していく場合は細かなルール決めが必要となってくるでしょう。

続いて、「ボトムアップ設計」を見てみましょう。

前回のコラムでは、「ボトムアップ設計」のメリットとして、図面などで形が決まっているためスピーディーに設計できる点を挙げていました。

また、個々の部品を独立して設計していく特性上、「トップダウン設計」でデメリットになっていた構成部品間のリンクの扱いが基本的に必要ありません。
そのため、完成形状がイメージできている場合の新規設計や、既存の製品を用いた流用設計に向いています。

逆に、完成形状がイメージできていない状態で「ボトムアップ設計」による設計を進めると、設計の最終段階まで部品同士の干渉に気づくことができず、大きな手戻りになってしまいます。

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このように、「トップダウン設計」と「ボトムアップ設計」は、お互いのメリット・デメリットを補い合う関係になっています。
それぞれの特徴を踏まえ、設計を行う場面や用途に合わせて使い分けることで、効率よく検討を進めることができます。

これらの設計手法について、弊社では教育という形でサポートを行っています。
詳しく学んでみたいという方は、ぜひ弊社へご連絡ください。

また弊社では、複数人で設計していく場合のルール決めなど、3D CADを導入・運用する際のノウハウも豊富です。
それらにお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。

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