2022/01/31 NV事業
今回はハンマリングと音響加振試験で測定する自動車の伝達関数について紹介します。
音響加振は空気伝搬による騒音の伝達を確認する試験方法です。
騒音の発生源となる場所に体積加速度計を設置し、空気を加振することで、ハンマリング試験事例と同様に、伝達関数を求めることが可能です。
自動車は開発、生産の効率化を図るため、車体のフレームなど一定の共通規格を採用し、異なる車種を製造することがあります。
この共通規格の構造をプラットフォームと呼びます。
今回は同じプラットフォームとパワープラントを搭載しており、車両形状のみが違う2台の車を参考にハンマリングと音響加振で伝達関数の違いを調査します。
伝達経路の代表例としてエンジンマウントとナックルの上下振動に関する伝達経路を比較します。
伝達関数のレベルに大きな違いはないものの、ピークの周波数が変更するなどの変化点が確認できます。
これは同じプラットフォームを採用していても、車両形状が異なれば顧客の求める性能が変わり、伝達経路上の各部品に細かな変更点が生じるためだと考えられます。
次に、音響加振で調べるエンジンコンパートメントから運転席耳位置までの伝達関数を確認します。
音響加振で測定した伝達関数でも振動と同様に違いがあります。
騒音の伝達関数はボディシェルの形状や内装の変更点、吸音材や遮音材の配置などが影響していると考えられます。
「振動だけでなく、騒音に関する伝達関数も調査したい」「音響加振の実績がないため、外部の力を借りたい」などありましたらお気軽にご相談ください。