2020/12/25 NV事業
車両評価の事例として、エンジンの爆発によって発生する振動の伝達経路解析(TPA)をご紹介させていただきます。
振動の伝達経路解析は複数の伝達経路のうち、どこを経由して振動が伝わっているかを調査できる解析方法です。
今回は自動車の運転席にまで伝わる振動の伝達経路について調査します。
実際に解析を行うためにはハンマリング試験と実働試験をおこなう必要があります。
ハンマリング試験では振動の伝達経路から運転席までの伝達関数と各計測点の加振結果の2種類を測定します。
また、実働試験では各計測点の振動とエンジン回転数を測定します。
ハンマリング試験ではエンジンの爆発によって発生する振動の周波数帯が確認出来るように、低周波用のハンマーを使用し、測定をおこないます。
振動の伝達経路は周波数によって寄与度が変化します。そのため実働試験では車両加速時の振動を測定し、エンジン低回転時の振動からエンジン高回転時の振動までを確認出来るようにします。
測定したデータをもとに振動の伝達経路解析をおこない、各伝達経路の寄与度を求めます。
振動の伝達経路解析では各伝達経路に伝わる力の大きさも計算することが可能です。
伝達力と伝達関数を比較した結果、伝達力にピークが見られるのに対して、伝達関数ではピークが見られませんでした。
よって、伝達力の影響で振動が発生していると考えられます。
解析で得られたデータをもとに問題となる振動の伝達部位を特定することで、効率的な車両の振動対策を可能にしています。
「振動の対策をしたいが、どこを重点的に対策すればいいかわからない」「従来の振動対策が適切か確認するために、第三者の考察を聞きたい」などありましたらお気軽にご相談ください。