
※前編では、当社を知ったきっかけやお二人の関わり、高専で学んだ知識がどのように活きているのかなどをお話いただいています。
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エンジンルームを通る経路設計に、車を作っている実感が高まる。
――K.R.さんの担当業務について教えてください。
K.R.(高専OB):配属後は、ワイヤーハーネス(以下、W/H)の経路設計(経路設計:車内において、W/Hがどこを通り、どこに固定し、どんな外装材を使用するかを決めていく設計業務)を担当しています。W/Hには高圧・低圧が存在しますが、私が担当するのは、高圧のW/Hです。上記画像のうち、オレンジ色の太い配線を指します。配属後はしばらく、電池パック内の経路設計を担当していましたが、現在は電池パックの外側に出て、電池パックを充電するための充電ケーブルの経路設計を担っています。
電池パックはユニットなので、閉ざされた空間内での設計がメインでしたが、現在担当する充電ケーブルでは、エンジンルームを通り経路を確保するため、より車を作っているという実感を味わえています。
経路設計がメインですが、高圧W/H設計は特殊で回路数も限られているため、回路設計者に限らず、経路と並行しながら回路の設計も担当することがあります。最初は大変でしたが、よい経験になっています。これまでの経験を踏まえ、2022年夏に実施した高専生対象の夏期インターンシップでは回路設計の体験プログラムを考え、実施しました。
――高圧ワイヤーの経路設計を担当されていますが、高圧ならではの大変さがあれば教えてください。
K.R.(高専OB):高圧W/Hは上記画像で見ていただいてもわかるように、電線が太いため、自由自在に曲げることはできません。その上で、充電には仕向け地に応じた規格があるので、それぞれの条件に応じて、タイヤや車両の骨格沿いにケーブルをはわせていく。曲がらないがゆえに、経路の確保に苦戦しますね。
――設計する上で、高圧・低圧による違いはありますか?
K.R.(高専OB):W/H設計の基本となる考え方は同じです。ただ、高電圧ならではの部分で言うと、部品を制御する信号が流れる部分は高圧からノイズをひろうことで、信号線の先にあるユニットが正常に機能しないことがあるため、高圧と低圧のW/Hを並走させないように経路確保することや、高電圧部位は指で触れないように端子をカバーで塞ぐなど、機能や安全性における考慮点の違いはありますね。
先輩エンジニアの背中を追う。将来はマネジメントにも挑戦していきたい。
――昨年育休の取得をされましたが、復帰後はいかがですか?
K.R.(高専OB):6週間ですが、育休をとりました。育児に専念し、関われる時間を取れてよかったと思っています。復帰後も、「早く帰らなくて大丈夫?」と周囲も気を遣ってくれています。
K.H.(採用担当):育休の取りにくさはなかった?
K.R.(高専OB):取得しやすい職場環境でしたね。職場の先輩からも、出産後の子育てや奥さんの産後ケアに協力するのは大切なことだとアドバイスを受けていたくらいなので。ちょうど、育休に入る直前に出図タイミングがあったので、タイミングとしてもよかったのですが、もちろん育休期間は周囲にフォローしてもらいました。
K.H.(採用担当):年々男性の取得率が上がってるので、社内で浸透してきたことを感じますね。(22年度育休取得実績:男性46.2%、女性100%.)
――この先、どんなエンジニアを目指していますか?
K.R.(高専OB):私の上司にあたるシニアエンジニアから「自分の後釜になる存在になってほしい」と常々言われています。言われたからではなく、自分自身もそうなりたいと思っています。また、培った知識・経験を活かし、後輩育成やマネジメントの面でも貢献できるようになっていきたいですね。
設計を仕事にしたいという想いで進路選択してきた。
――就活生へのメッセージをお願いします。
K.R.(高専OB):私はもともと工業高校出身ですが、進路を考える中で「モノづくりの上流工程に携わりたい。設計がしたい」という想いが強くなり、高専に編入する道を選びました。私が「設計をしたい」という想いを叶えるために、進路を選択してきたように、やりたいことがある人は、妥協をせずに叶えるための努力や行動に移すことが大切だと思います。
就職活動においては、働く上でモチベーションを高く維持するためにも「好きなモノ」の設計を仕事にしたいと考え、企業研究に臨みました。企業規模や待遇といった衛生要因にとらわれず、何が満たされると「やりがい」や「面白み」を感じられるのかを考えていくと、自ずと道が絞られてくるように思います。それが、私にとっては自動車開発でしたね。
K.H.(採用担当):「自分に合った会社を見つけてください」これに尽きますね。100人いれば、一人一人にマッチする条件や環境、働き方は異なります。「どんな仕事をしたいか」「どういう環境に身を置きたいか」「働くイメージが持てるか」等、自身の希望する条件を整理し、その条件にどれだけマッチする会社と出会えるか、そのためには情報収集が重要です。インターンシップや説明会、選考などの様々な過程を通して、多角的に情報を収集し、自分に合った会社を見つけてください。
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