開発現場を知るからこそ、教育現場でリアルを伝えていく。

  • HOME
  • 記事一覧
  • 開発現場を知るからこそ、教育現場でリアルを伝えていく。
パワートレインの開発に13年携わった後、現在は人事部で教育・研修に携わるM.S.さんにインタビュー。開発エピソードから、新入社員研修に携わるエピソードまで、幅広くお話いただきました。

Index

M.S.
人事部
2008年入社 / 新卒

幼少期からの想いを現実に。

幼いころから車が好きで、高校生の時には、将来は自動車の開発職に就きたいという想いが明確になっていました。就職活動のタイミングでもその想いが変わることなく、自動車に関わりたかったため、完成車メーカー・部品メーカーの説明会に参加したり、就職サイトを活用して企業研究に取り組みましたね。

企業研究する中で、設計職志望で入社しても必ず設計職に就けるという企業は少ないことを知りました。希望を考慮するが絶対ではない。そんな時に、就職サイトにも「自動車の設計職限定募集」と宣言するモビテックを発見し、説明会に参加したのがきっかけです。ここなら必ず自動車の開発設計に携わることができると確信できたため、入社を決めました。

 

試行錯誤した分、解決した時の喜びもひとしお。

入社後はオートマチックトランスミッション(以下A/T)の設計業務に携わりました。研修・OJTが終了し、まず担当したのがギヤトレインにおける品質問題対応です。その後、ギヤトレイン部品の原価低減・現調化に関する対応、ケーシング部品の設計、基本新製品プロジェクトのギヤトレイン設計を担当してきました。

いろいろと経験した中で一番苦労したのは、人事へ異動する前に行っていた”基本新製品プロジェクトのギヤトレイン設計”です。基本新製品プロジェクトは、基本的にはゼロベースでA/T開発を行うため、試作品を作って評価を行い、耐久性が確保できているか確認を行います。しかしながら、一筋縄では行かず、様々な問題が発生します。その問題を解決するために車両メーカーや部品メーカーと打合せを幾度となく繰り返し、お互いが把握しているノウハウなどを持ち寄り、仕様変更を行ってきました。仕様変更後は、試作品を作成し、評価を行い、問題が発生すれば検討・打合せの繰り返しです。設計者と聞くと、図面を描くイメージが先行しがちですが、図面を描くことはあくまで仕事の一部であり、このように検討や関連部署・メーカーとの打合せが仕事の大半を占めます。実際、問題解決に1年以上の歳月を有したものも。

私が担当するA/T開発の中に、世界中の道なき道を走る自動車に搭載するものもあったように、自動車は世界中様々な場所で利用されます。自動車が故障して止まってしまうと命に関わる可能性があるので、いつも必死になって問題解決していたのを、今でも覚えています。責任重大な仕事ですが、その分、問題を解決したあとの達成感は物凄く大きかったですね。

社員の変化・成長した姿は、私のやりがい。

2015年ごろから新入社員研修の講師を任されるようになり、自分自身、教育側の立場が向いているなと感じるようになりました。上司や周囲に教育担当業務に興味があることを伝え、2020年10月から人事部へ異動。現場を離れることに後ろ髪をひかれる想いもありましたが、それ以上に開発現場で得た経験・知識・技術を教育で活かしていきたいという想いが勝っていたように思います。
設計者としての13年、先ほどもお話しましたが、さまざまな経験を積み上げてきました。正直、異動にあたり、周囲から惜しむ声もあったり、担当するプロジェクトの引継ぎが大変だったり、バタバタしていましたが、やれることはやりきったと思っています。

もともと、新入社員研修の講師として、教育現場を見る機会があったため、異動後もギャップはありませんでした。実際、これまでの経験で得た設計的な視点・思考を実体験を基に伝えることが、相手の理解醸成・成長につながっていると手ごたえを感じることも。
但し、想定していた通り、設計とは違う難しさを実感しましたね。例えば、設計業務は、モノを相手にします。問題発生の根源は物理現象ですので、ある程度経験を積み上げていくと、ノウハウを基に、状況に応じた最適なプロセスを判断することが出来ます。一方、教育は人が相手。十人十色という言葉があるように、一人一人個性があります。だからこそ、相手を理解し、相手に寄り添う力が求められます。もちろん、設計現場でも人との関わりはありましたが、教育現場はより繊細さが求められるように感じます。

今年の新入社員も研修を経て開発現場に配属されましたが、入社時と比べ配属時の変化・成長した姿を見られることは、私にとって大きなやりがいです。但し、これで終わりではありません。教育担当として配属後も、オンラインで面談をしたり、Uターン研修などを実施したり、当社で働く社員を教育・研修を通してフォローしています。

失敗を恐れず挑戦する、自分で考え前進する力の大切さ。

学生の皆さんには、学生生活を通して失敗を恐れずにチャレンジする力・自分自身で考え前進する力を養ってもらいたいと思っています。今は、わからないことがあればすぐにネットで検索できる時代です。しかし、設計は答えがない世界。答えがないからこそ、自分で最適解を考え出さなければなりません。その過程に失敗はつきものです。
だからこそ、勉強・部活・趣味・アルバイト、なんでも構いません。失敗を恐れずに挑戦する。そして、課題や問題に直面した時に、自分自身で考え前進する。こうした経験が、エンジニアとしての成長を後押ししてくれるはずです。

車が好き・開発設計がしたい・モノづくりが好きという想いを持った皆さんを、教育現場でお待ちしています。皆さんが学生生活で培った力を伸ばしていけるよう、私自身、教育担当として一人一人に寄り添っていきます。

Profile

M.S.
人事部
2008年入社 / 新卒
大学では機械系を専攻。新卒で入社後、13年に渡りパワートレインの開発を担当し、品質問題・原価低減・現調化・ケーシング部品設計・基本新製品のギヤトレイン設計を経験。2020年からは人事部に異動し、開発現場での経験を活かし、教育現場で手腕を発揮している。