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必ず「設計・開発」に携わる
就職活動時の軸は、乗り物関係、特に自動車・バイクに関わりたいという想いでした。乗り物関係に興味を持ち始めたのは高専2年次です。最初は、友人に誘われる形で2輪の免許を取得したのですが、バイクに乗っているうちに走ることの楽しさをおぼえ、自動車・バイクといった乗り物に興味を持つようになりました。
そのため、就職活動時も自動車・バイク関係に業界を絞り、業界研究を行いました。自動車・バイク関係の企業といっても数多くあります。その中で「なぜモビテックなのか?」と言われると「必ず設計ができる」という点が一番大きな理由です。
一般的にエンジニアといっても、開発・生産技術・生産管理・品質管理・メンテナンスというように配属部署は様々あります。その点、モビテックの配属は開発部署のみ。さらに興味のある自動車部品を担当できることから、入社を決めました。
プロジェクトの舵取りをする仕事
入社後は一貫してオートマチックトランスミッション(以下A/T)の設計に携わっており、配属から約2年間はプロジェクト管理業務をメインに担当しました。プロジェクト管理業務とは、開発の初期段階から携わり、プロジェクトの舵取りをする仕事です。
初期段階では、要求条件(燃費向上や軽量化など)を満たす部品をつくるためにはどうしたら良いのか、完成車メーカーと内容のすり合わせを行いながら決定します。そして、大まかな仕様が決まると、次は細かい部品の設計を各部品担当者に依頼します。また、評価試験の日程調整や出図計画の管理も仕事の一つです。A/T開発を円滑に進めるために、社内外との調整を行います。部品点数が全体で150点以上あるプロジェクトでも、どこの部品をどのように設計したのか、結果どうなったかなど、一つ一つ把握していきます。時には、100枚以上の設計図の確認をすることもあります。プロジェクト管理業務は開発の上流に位置するため、A/T全体を把握しなければならず、構成や各パーツについてなど、幅広い知識が必要となる業務です。また、関連する部署が多いため、技術者的なスキルに加えてビジネススキルもかなり求められます。この業務を通して、技術者としての成長はもちろんですが、人間として、ビジネスマンとしても成長したと実感しています。
自分の成長が実感できる
プロジェクト管理業務を経て、現在はケーシング部品の設計業務に携わっています。ケーシングとはA/Tを覆っている部品で、主に内蔵部品を衝撃から守る役割を果たしています。一言にケーシング設計と言っても、設計する際の検討項目は多岐に渡ります。
まずは、搭載性です。そもそも載らなければ意味がありませんので、エンジンやスターターといった外部部品やギヤ・クラッチといった内蔵部品、そういった内外の様々な部品との関わりを踏まえ、形状を考えていきます。次に、強度・剛性です。搭載できてもすぐに壊れてしまっては意味がありません。内側・外側からの荷重を計算し、耐えられる剛性を確保していきます。そして、生産性です。せっかく性能を満たしていても作れなければ意味がありません。後工程も考え、製造・加工のしやすさも検討する必要があります。このように、設計とはたくさんの情報が必要となってくる仕事であり、車種によっても検討方法が変わってくるため、毎回様々な知識・経験を身に着けることができます。自分のできることが増えていくことで、自身の成長を実感しています。
知識・経験は、入社してから学んだことも多いですが、もちろんベースは高専時代の授業で学んだことです。特に機械設計・製図・機械工学実験・工作実習などの実践的な内容は、検討する際に役立っています。例えば、鋳造や溶接、鍛造などの工作実習を通じて、実際に手で触れ、自らやってみた経験があるからこそ、生産性を検討する際にイメージがしやすかったと感じています。こういった部分は、実習が多い高専卒ならではの優位性だと思います。
部品設計のスペシャリストを目指して
自動車部品は、ニーズによって設計要件が毎回異なります。その中で自分なりの最適解を導き出すには何より経験が必要だと思います。プロジェクト管理・ケーシング設計を経験してきて、ある程度の業務は自らが主体となって遂行できるようになりました。その一方、業務を理解すればするほど、まだまだ経験が足りないと感じる部分もたくさん出てきます。しかし、経験が足りないと感じる部分は、さらに成長できる部分だと言えます。経験はすぐに得られるものではありませんが、身に着けた経験は着実に積み上げられ、必ず自分の武器になります。
今の目標は、部品設計のスペシャリストとして活躍できるようになることです。モビテックでは、高専卒・学部卒・修士卒問わず、全員が開発職として入社します。入社時の年齢差はありますが、仕事の質・評価基準に差はなく、スタートラインは同じです。
私は、早くから実務経験を積むことが出来ました。それは、私にとっての武器となっています。今後もその武器を活かし、一つ一つ技術を積み上げていくことで、何を聞かれても「どんとこい!」と言える、そんな技術者を目指し、成長していきたいと思っています。