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学歴問わず、設計者として活躍できる環境がある。
――入社の決め手はどういったところでしたか?
H.S.:幼い頃から自動車が好きで、高専に入学してからは機械のことを学んでいたので、絶対に自動車の設計の仕事がしたいと思っていました。ですが、高専(本科)卒で100%自動車の設計に関われるという企業自体少なかったです。それに加えて、自分自身どこか一つの完成車メーカーに固執しているわけではなかったんです。だから100%自動車の設計ができ、いろいろな完成車メーカーの開発に関われるモビテックがいいと思いました。
S.H.:私も自動車が好きで、何か技術的な仕事がしたいと思って転職活動をしていたのですが、当時の私は技術的な経験もなく、なかなか条件に合致するところはなかったんです。そんなとき、たまたま未経験でも自動車の開発に携われるという求人誌の広告を見て、モビテックを受けようと思いました。私が入社した当時は会社規模が数十名程度と少なくて、そもそも新卒採用がなかったりと、今とは全く状況が違ったんですよ。
――現在のお仕事内容を教えてください。
H.S.:オートマチックトランスミッションのクラッチ・ブレーキの設計を担当しています。クラッチ・ブレーキは、発進・停止・変速時にエンジンの力をトランスミッションに伝えたり遮断したりする役割を持つ動力伝達装置のことです。
S.H.:入社当時は技術者でしたが、しばらくして人事部に異動になりました。現在は人事部で新入社員の研修など、教育を担当しています。教育を担当して、かれこれ20年くらいになります。
――新入社員の研修期間はどのくらいなのでしょうか?
S.H.:研修期間は概ね3ヶ月前後ですね。4月から1ヶ月はビジネスマナーや社会人としての基本的な行動、製図などの技術的な基礎スキルを学びます。5月に入ると、配属先ごとに分かれて製品の仕組みやCADなど専門的な研修を行っていく流れです。
――新入社員研修を終えてから、S.H.さんとH.S.さんの接点はあったのでしょうか?
S.H.:入社1年目には、新入社員研修で教えたことを配属部署で実践できているかを確認するUターン研修が、配属後に2回あります。新入社員研修とUターン研修を通して1年間、責任をもって、人事部で新入社員の教育を担当しています。
――S.H.さんから見てもH.S.さんは入社当時より成長していると感じますか?
S.H.:本当にしっかりしてきたなと感じます。数ヶ月前、たまたま会った時に「最近仕事どう?」と聞いたとき、仕事は忙しそうだけど、楽しそうで。話す内容も、しっかりと仕事をしてきた人の話だなと。
入社当時から自動車が好きで設計に対する想いも強かったので、成長していってくれると思っていました。当社は昇進や昇格に学歴は関係ないので、どんどん成長していって欲しいですね。
H.S.:いやあ、ありがたいです。そんなところまで見られていたなんて(笑)
歳の差はあれど、コミュニケーションは活発に。
――入社してから意図的に仕事に対する意識を変えたところはありますか?
H.S.:入社してしばらくは、正直、仕事をやらされている感がありました。ただ、自分で色々なことを考えられるようになってくると、責任感が芽生え始めたんです。どういう風に仕事を進めるのかを自分で決めて、筋道が立たなくなれば自分の責任だと自覚する。より良くするにはどうしたらいいかと考えて、考えて、何回もトライ&エラーを繰り返すと自分でやり遂げたという達成感も湧いてくるんです。
――入社前に不安に思っていたことは?
H.S.:私は特にありませんでしたが(笑)、強いて言うなら、高専卒と大学院卒で歳が4つ離れているので、最初は身構えましたね。でも、新入社員研修期間中に院卒や大卒の同期とグループを組んだときに優しく接してもらって、だいぶ打ち解けました。なので、研修中に不安は解消されましたよ。
S.H.:それは良かった。会社として、新入社員研修では世代の違う高卒、高専卒、大卒、大学院卒の交流は意識しています。グループワークなどで、ちゃんと交流できるように組んでいるんです。若い時の2歳差、4歳差って大きく感じるものですからね。高専卒の社員から、院卒のメンバーに話しかけるのはハードルが高いでしょう。高卒から院卒まで、研修のカリキュラムは同じですし、上の世代から下の世代に積極的に話しかけてあげてほしいと伝えています。
H.S.:そうだったんですね。新入社員研修以外でも、上の世代の方々には本当によく助けていただいているんですよ。例えば、開発段階で品質上の問題が起こった際に、要因を洗い出し解決策を見つけるまでが大変なんですが、自分一人では無理なので、自分の部署の先輩にも聞きまわったりして。ご意見をいただいて、問題を解決できたときは、関わった全員が一緒に喜んでくださるんです。そこも達成感につながっていますね。「よくやった」と言われると素直に嬉しいですし。個人的には設計をする中で、色々な人とコミュニケーションを取ることは楽しいと感じています。
高専生の強みは実践的なモノづくりの経験。
――ずばり、高専で学んだことは仕事に活かされていますか?
H.S.:もちろんです。座学もそうですが、やはり一番役に立ったのは実習ですね。実習では工作機械を使用する機会が多くあります。旋盤やボール盤はもちろん、フライス盤、NC旋盤などを使った加工や溶接、鋳造などもやりました。設計をしていく中で、後工程のことを理解することは重要です。高専の実習の経験から、モノがどのように加工されるのか、どのように作られるのか、思い浮かべることができるのは、設計をする上で強みになっています。
――S.H.さんから見た、高専卒の強みはどんなところですか。
S.H.:中学時代に工業系の道を選択しているので、モノづくりや技術に対する興味・関心が強く、それに加えて技術的なスキルが高い方が多い印象です。例えば、新入社員研修の中で機械製図があるのですが、高専生は特にスムーズにできる印象があります。H.S.さんの話にもありましたが、高専で実践的なことをしっかりと学んできているので、そこは強みになってくると思いますよ。
――最後に高専生の皆さんにメッセージをお願いします。
H.S.:単位はしっかり取りましょうってことですね(笑)。あとは、実習系の授業は必ず設計の仕事に活きてくるので、自分自身のスキルとしてしっかり吸収するんだという気持ちでやってほしいと思います。
S.H.:会社に入れば、高専卒であろうと院卒であろうと同じ社員です。学歴は問わずH.S.さんのようにどんどん成長していくことができます。やはり、学生時代にどういう経験をしてきたのかによって社会に出てから差がでてくるのかと。ぜひ、充実した学生生活を送って、当社に来てくれたら嬉しいなと思います。