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指示待ちでは時間がもったいない。積極性が成長につながる。
――お二人はいつごろから一緒に仕事をしているのでしょうか?
K.T.(先輩):2ヶ月ほど前からです。もともと同じ部署で、トランスミッションにおけるケーシングと呼ばれるアルミ鋳造部品の開発をしていましたが、プロジェクトチームが一緒になったのは今回が初めてです。近くの席で仕事をしているため、頻繁に意見交換を行いながら仕事を進めています。
――先輩から見てどんな後輩ですか?
K.T.(先輩):困ったらすぐに報告してくれるタイプですね。基本的に待っていれば、どんどん相談してくれるので仕事を教えやすいです。
S.M.(後輩):正直、入社当初は指示待ちだったと思います。でも、指示を待つ時間がもったいないと考えるようになったんです。一人で考えても知識がないから答えが出る可能性は低いと思ったので、積極的に先輩たちに相談するようにしました。もちろん、先輩に時間を割いて教えてもらうので、調べた上で質問するように心がけています。より深く知りたいとか、どうしても分からない点を聞くことが多いですね。
K.T.(先輩):確かにしっかりと自分で考え、調べたうえで仕事を進めていると感じています。私には無かった視点で設計検討している姿を見て、将来の成長が楽しみだなと。
――お二人のお仕事内容について教えてください。
K.T.(先輩):今はハイブリッド自動車に搭載する製品開発がメインです。製品開発には、1から考える「基本新製品」と既存製品に変更を加える「応用新製品」の2 種類あって、私たちは「基本新製品」の開発を担当しています。
業務としては、私の方でプロジェクトを進める中で必要な項目を精査してプロジェクトメンバーへ業務を割り振り、検討してもらうという流れで進めていきます。現在S.M.さんに任せている仕事は、油路の検討です。パワートレインは歯車をかみ合わせて動力を伝達させるものですが、そこに油を介在させないとギアの焼き付き等の不具合が発生します。そのため、油を適所に潤滑させる必要があるんです。油路をどのようにつくることで、きちんと潤滑するのかを検討してもらっています。
S.M.(後輩):業務の進め方としては、まずPC 上で検討をします。二次元の図面や三次元のモデルで形状をつくってみたり、油の通り道を考えてみて、この油路ならいけそうだなと、机上段階で成り立つように設計検討を行っています。試作品の製作や評価は別の部署が行うため、評価で問題があれば、フィードバックがあり、問題点を再検討する流れです。
先輩がしてくれたことを、今度は自分が後輩にする番。
――この仕事の大変なところは?
S.M.(後輩):パワートレインに搭載される部品だけでなく、周辺部品のことも考えて設計する必要があるため、検討項目が多いことが大変です。私はまだ課題を解決するためのアイデアが少ないため、先輩にアドバイスをもらいながら進めています。
K.T.(先輩):その他に、限られた開発スケジュールの中で、機能を満たした形状を考えることも大変です。また、他の部品の設計担当者に形状変更を依頼する場合がありますが、それぞれの設計担当者にも考えがある中で、変更を依頼することはやはり大変ですね。
S.M.(後輩):あとは、急ぎ対応が必要な問題が起きた時ですね。自分ではなかなか解決できないことも多いですが、その際は、先輩たちに相談してアドバイスをもらいます。
もともとチームの雰囲気として、プロジェクトが違う先輩の方でも、相談に乗ってくれるので、困ったときはどんどん質問して解決策を考えています。
K.T.(先輩):その雰囲気はありますね。私も先輩に質問した時は、優しく教えてくれたり、一緒に考えてくれたりしました。だから、先輩がしてくれていることを後輩の子たちにしているだけで。特にきちんと対応しようとか意識はしていません。社内が自然とそういった雰囲気になっているんですよね。
先輩も後輩もまだまだ成長期。目標に向けてひた走る。
――この仕事の面白みはどんなところにありますか?
K.T.(先輩):設計は原理原則に沿って進めるので、理詰めで考えることが面白みだと感じています。例えば、遊園地に行ったら観覧車がどのように支えられ、動いているか気になる人には打ってつけの仕事だと思います。
S.M.(後輩):私はそうでもないですよ(笑)
やはり、自分が携わった製品が自動車に搭載されて世に出る瞬間は、やりがいを感じるのではないでしょうか。私はまだその体験はできていないのですが、今後の楽しみです。
――今後の目標を教えてください。
S.M.(後輩):今はまだ、検討したことが正解だと確信を持って言えないので、さらなる成長のために、分からないことや気になることは、どんどん深掘りして、知見を深めていきたいですね。もっと知識を身につけて「自分の強みはこれです」と、自信を持って先輩に言えるようになることが目標です。
K.T.(先輩):私もより知見を深め、より広い視野を持った技術者になりたいと思います。
そして、社内外の要求に対して、よりよいアウトプットを出すことが目標ですね。
私は入社8 年目ですが、まだまだ知識が足りないと感じています。人によっては、領域を広げたいと考える方もいますが、私は今後もケーシング業務に携わり極めていきたいと考えています。