2021/08/24 3Dスキャン・リバースエンジニアリング
3Dスキャン、リバースエンジニアリングのコラム更新をしばらく休んでいましたが、お客様からの反響が大きく、掲載復活する事になりました。
その第1回目、「弊社の強み」のリバースエンジニアリングをご紹介します。
計測サービス系の企業様では3Dスキャンによる計測はできても、後工程のリバースエンジニアリングによるCADデータ化は、技術的にやれない企業様の方が多く、それらの企業様からのご依頼でリバース業務を対応する場面が結構あります。
「3Dデータ化はできるけど自由曲面が難しくて貼れない」、「そもそも3Dデータを作る事ができない」、「3Dデータをつくる事が面倒だ」、「リバースエンジニアリングしなければならない部品が多くて、社内のリソースが足らない」といった企業様にご支援を行っております。
計測した3Dスキャンデータを送っていただき、弊社内でリバースエンジニアリングによるCADデータ化を行っています。
自由曲面のリバースエンジニアリングの一例をご紹介します。
凹凸がある粗削り品のスキャンデータでハイライト部分の自由曲面を作成します。
作成する自由曲面の評価方法は幾つかありますが、その一例をご紹介します。
1.曲率表示
曲率は、曲線の曲がり具合を表す値で、その表示は曲線上の各点の曲率を直交する線分の長さで表示します。
意匠的な形状では、ヒゲ(法線ベクトル)の長さや向きが急に変わっていると“滑らか”とはいえません。
2.ゼブラマッピング
ゼブラマッピングはハイライト線表示ともいわれ、長い蛍光灯を平行に並べて光を当てた際の輝度の違いを模様で表現します。
実際に自動車のボディや成形後の品質チェック – 凹凸の有無を確認 で使用されていますね。
下図は作成する自由曲面の悪い例ですが、ハイライト線の折れ、途切れ、不自然な密度の偏り(縞模様間隔の変化が大きい)があると“滑らか”とはいえません。
リバースエンジニアリングは、モノを3Dスキャンしてその後にリバースエンジニアリング用ソフトでデータ上で面貼り作業を行います。
より忠実にモノに合わせた面を作成するのであれば、今回のモノは手彫り品という事もあって、作成する面は微妙に凹凸のある波打った面であるので、データ上で面貼り作業を行った時も同じく波打った面になります。
モノに忠実に再現した3Dデータを作成する場合は、上図のCADデータで十分です。比較的短期間で作成できます。
しかし、お客様によってはモノは参考で、優先すべきは作成する自由曲面の滑らかさを追求しなければならない場合があります。
知識と経験を総動員して各断面曲線のいびつさを無くし、その断面位置の調整を行いますので作成期間は必要になってきます。
曲率は変化が抑えられ、ゼブラマッピングは間隔の変化が小さい流れる縞模様になりました!
このように、曲面の滑らかさを重視したリバースエンジニアリングもノウハウを活かして対応可能です。