2024/06/28 3Dスキャン
【第8回 3Dスキャン後のCAD面の特徴】
今回は3Dスキャンした後の各データの特徴やデータ比較について、ご紹介します。
《点群データ》
3Dスキャンした点群データは仮想平面(ワーク表面)に対して高さ方向で大小の点群バタつきがあります。(figure.14)
《STLデータ》
点群データを元に、STLデータ化します。
STLデータは三角形のポリゴンで表示され、三角形の一辺は必ず直線になっています。(figure.15)
よって、ポリゴンは折れた状態で隣り合うポリゴンと接続する事となり、CADデータのように連続した曲面ができません。
角Rのような部分は、このポリゴンが密集してRとして表現されます。
《オートサーフェースモデル》
STLデータを元に、CADデータ化していきます。
オートサーフェスモデルは、NURBS(Non-Uniform Rational B-Spline)曲面で表現されます。これは、CADの自由曲面や一定の曲面を表す為に用いられる非一様有理Bスプラインの略でこのNURBSを使ってSTLデータに対して一定の3D偏差域で面貼りを行います。
形成されるCAD面は一枚一枚がうろこ状の面となり、作成された面はSTLデータの質に左右されるので、一枚一枚がうねりのあるCAD面になります。(figure.16)
《フルリバースモデル》
フルリバースモデルも同じく、STLデータに対して一定の3D偏差域で面貼りしていきます。
作成する面は、プリミティブ要素(立方体、直方体、球、円柱、円錐、円環など単純なもの)で作成されます。(figure.17)
基本的にはSTLデータに対して均したCAD面で作成し、自由曲面などの複雑な形状はNURBSやプリミティブ要素の複合でCADデータ化されます。
《ハイブリットモデル》
オートサーフェースモデルとフルリバースモデルを必要に応じて組み合わせたデータになります。
《データ比較》
オートサーフェスモデルとフルリバースモデルを重ね合わせて、STLデータと比較すると、オートサーフェスモデルはSTLデータとの3D偏差が小さい状態でCAD面貼りされるので、3DスキャンしたSTLデータに対して比較的忠実なCADデータになります。
ただ、STLデータの凹凸形状はオートサーフェス時に緩やかな曲線、曲面で再現されます。このため、機械加工仕上げ面など一枚の平面でCAD面として再現したい部位や、角Rも「フィレットR」を再現したい場合は、フルリバースモデルの考え方で対応する必要があります。
フルリバースモデルは一枚一枚がきれいな面になるが、STLデータに対して基本は均された面になるので、STLデータとの3D偏差は比較的大きくなる傾向になります。(figure.18)
今回は以上になります。
次回は、「3Dスキャンしたデータとリバースエンジニアリングしたデータの違い」をご紹介させて頂きますのでご期待下さい。
<前回記事:【第7回 3Dスキャン後のデータ形式およびCAD化の種類】>
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