2020/01/16 3Dスキャン・リバースエンジニアリング
弊社所有の非接触式3Dスキャナは非常に高精度です。
おかげさまで従来のお客様以外に全国各地の新規お客様、稀に海外のお客様からも多くの引合いをいただけるようになってきました。
そういった中で「精度はどのくらいですか?」と聞かれる事が多いです。
「精度」と一言で言われますが、それはどういった精度のことでしょうか?
目的によって、精度の意味合いが変わってきます。
目的が計測ならば、仕上げ加工した面精度/軸精度を測りたいのか?距離(寸法)を測りたいのか?形状姿勢を測りたいのか?板金ならば絞りや曲げ後の板厚を測りたいのか? etc・・・。
目的がリバースエンジニアリングによる3Dデータ作成ならば、3D面貼りする精度なのか? etc・・。
◆計測が目的
今回は、「JIS B 0021」製品の幾何特性仕様(GPS)- 幾何公差表示方式-形状、姿勢、位置及び振れの公差表示方式 から抜粋して一例をご紹介したいと思います。
例えば、
「仕上げ加工した面精度/軸精度を測りたい」場合の一例として(GD&T)・・
「距離(寸法)を測りたい」場合の一例として・・
精度の高い計測をするには、以下が必要になってくると考えています。
①点群データのバタつきが少ないスキャナ(レンズ)
②点間距離が小さいスキャナ(レンズ)
③スキャンデータの貼り合わせ精度が高いスキャナ
④STLデータのポリゴン一辺の長さを短く調整できるかできないか
当然、計測する場所の環境であったり、対象となるワークの状態、計測における手法も影響するのですが、今回はスキャナ(レンズ)のみに焦点を絞って記載します。
①点群データのバタつきが少ないスキャナ
2019/10/31 掲載の「スキャンデータとCADデータの違い」でも述べたように、3Dスキャナで計測するとワーク表面に対して高さ方向で点群データはバタつきが発生します。
この点群のバタつきが大きい3Dスキャナの場合、測定において平均面を作成する際、本来の位置に面が作成できない可能性が高く、結果として測定時の精度が悪くなってしまいます。
③スキャンデータの貼り合わせ精度が高いスキャナ
3Dスキャンの場合、1ショットで全てのワーク表面の点群を取得できるとは限りません。
複数ショットしてデータ上でスキャンデータを貼り合わせで合成させますので、その貼り合わせ精度も必要になってきます。
STLデータのポリゴン一辺の長さを調整しないと、平均面の作成される位置が微妙に変わります。
結果として、その後の計測結果に影響が出てしまいます。
「薄板の厚み部分を測りたい」場合の一例として・・
3Dスキャナ(レンズ)の「分解能」が影響します。
計測する使用スキャナは「板厚は何mmから撮像できますか?」。
◆リバースエンジニアリングによる3Dデータ作成が目的
3Dスキャナによって撮像したSTLデータを元に、リバースエンジニアリングソフトで「人の手」で3D面貼りを行っていきます。
STLデータに対して、いわゆる「どのくらいの3D偏差域」で面貼りするのかが精度となり、同時に腕の見せ所になります。
当然ながら、求められる3D偏差域が極端に狭い場合、「3D作成における工数( = 見積り金額)」は増大します。
弊社では、お客様の使用目的をヒアリングさせていただきながら、その3D偏差域をご提案させていただいております。
又、3D面貼りを行う元になるSTLデータの品質はどうでしょうか?
上述①~④が精度よく出来ていないと、その後に作成する3Dデータも精度の悪いモノになってしまいます。
弊社では高精度スキャナを所有しておりますし、実績も十分にありますのでご安心下さい。
一言に「精度」といっても扱う場面やその後の目的によって変わります。
果たして本当に、その3Dスキャナ、その編集処理方法、その計測手法で大丈夫でしょうか?
是非、弊社にお客様のお困り事を聞かせて下さい。
課題解決に向けて、一緒に取り組みましょう!