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モビテックブログ

2016/07/20 EVバイクプロジェクト

EVバイクプロジェクト~vol.27 流体解析~

皆さん、こんにちは。
ユニット設計Gの山内です。

今回は、先日実施しました流体解析の続きについて紹介致します。

前回の流体解析にて、アッパーカウルの空気抵抗が大きく、改善効果が高いことを紹介しましたが、今回はそのアッパーカウルの形状を変更した仕様で流体解析を実施し、空気抵抗に対する効果を確認しました。

アッパーカウルの主な変更内容としては下記の4項目です。
 1. 上部カット
 2. 取付角度を鋭角化
 3. フロントサスペンションを覆い隠す様に取付位置及び形状変更
 4. 正面先端に吸気孔の追加
その他の変更部位は、ボディ前方部下側、ライダー姿勢、フロントサスに風洞板の追加です。

変更内容

解析条件としては前回と同じ風洞状態(車速:180km/h、タイヤ及び地面:固定)で実施し、変更前後で比較しました。

結果は車両全体の抵抗係数(CD値)が変更前:0.446⇒変更後:0.412となり、7.6%減少となりました。パーツ毎に見ていくと、アッパーカウルが7%増加、ボディが3%増加、フェンダーが6%減、フロントサスが6%減、ライダーが8%減という内訳となりました。

詳細に見ていきますとアッパーカウルは正圧側の割合が減り、負圧側の割合が増加しています。
 ※正圧(+側):正面から当たる流れによって発生する後ろへ押す力
  負圧(-側):アッパーカウルの中に発生する後ろへ引っ張る力

この正圧と負圧の割合について考えると、正圧側はサスを覆ったにもかかわらず角度を鋭角にしたことで、抗力が4N程度しか増加していないのに対し、負圧側は、先端にあけた吸気孔から速い流れがカウル内部に入ることで、負圧を発生させてしまい、抗力が23N増加した為に正圧と負圧の割合が逆転してしまったと考えます。負圧を低減する為にあけた吸気孔が大きく、位置も先端にあいていることで速い流速が入ってしまい、逆効果となってしまっていました。
この結果から、負圧を低減するには吸気孔の大きさ、位置、数の最適化が必要であり、空気を取り込むことで負圧を低減させる方法はかなり難しいことが分かりました。
今後は別の方法で負圧を低減させる方法を検討していきます。

正圧と負圧の関係

CAE1

また、車両全体で見るとアッパーカウルを変えることでライダー及び車両後方の流れも変わり、抵抗が低減していました。変更前はカウルで切った流れが上空へ逃げて行っていたのに対し、カウルを鋭角化したことで上空へあまり広がらずライダーの頭に当たった空気が背中に沿って流れる様になっています。そのため、ライダーの背中とその後方の低速域が減少することで抵抗が減少していました。流体は上流を少し変えるだけでも影響を受けて、後方の流れが大きく変わる為、予測しづらいところがあり、ここが流体の難しいところだと思います。

ボディ前方のフロントパネルについては下部を削った事で、正圧は出ているが圧力及び面積は減少しており、削った効果を確認することが出来ました。
ただし、ライダーの姿勢を変えた為、ライダーと車両の間に低速領域が出来てしまい、ボディ全体としては悪化してしまいました。ライダーと車両の隙間をなくすことでより空気抵抗を低減出来ると思います。

以上の結果より本解析にて車両全体では抵抗を低減出来ており、アッパーカウルの吸気孔を閉じることで負圧を少し改善出来ると考える為、この仕様にて進めていこうと思います。

CAE2

CAE3

最後に、解析を実施頂きました、川重テクノロジー(株)の皆様、
御協力頂きました関係会社の皆様、この場をお借りしてお礼申し上げます。

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