2020/08/25 NV事業
今回は、弊社のNV事業における測定器を使用した事例として自動車の実働測定をご紹介させていただきます。
自動車の振動は複数の要因が混ざり合い発生しています。
本事例ではエンジン爆発によって発生する振動に注目し、測定を行います。
この場合、原因となる周波数を特定できる解析手法(高速フーリエ変換)が使われることが多いです。
1.試験方法の立案
お客様より測定で確認したい内容を伺い、その内容に沿った測定方法を立案します。
本事例はエンジン爆発による振動に注目するため、クランクシャフトの回転(主にドライブプレートの歯)を測定し、測定データの次数解析を行えるようにします。
2.測定器の取り付け
エンジン爆発による振動が人に伝わるまでの経路を考え、加速度センサーなどを取り付けます。
また、騒音を取得するため、ヘッドレストやエンジンルームにマイクロフォンの取り付けを行います。
3.実走
弊社では、実走をテストコースをお借りして行います。
トランスミッションの使われ方や問題となりそうな走行パターンを条件とし、振動・騒音のデータを測定します。
測定データを高速フーリエ変換(FFT)で周波数解析を行い、エンジン爆発に起因する次数成分を抜き出し、各周波数の振動の大きさを定量的に算出します。
以上の工程で取得したデータをお客様へ報告し、静粛性や制振性をよりよいものにする設計検討の材料として、シミュレーションの基礎データなどへ活用していただいております。