2023/02/28 NV事業
以前、振動の伝達経路解析に関する事例紹介でもご紹介しましたが、伝達経路解析では下記式より各経路の寄与度を求めることができます。
前回の記事:振動の伝達経路解析に関する事例紹介/span>
伝達力 × 伝達関数 = 寄与度
伝達力[N]
=実働時の伝達経路振動[m/s2] ÷ 伝達経路の加振点応答(ハンマリング)[(m/s2)/N]
伝達関数[(m/s2)/N]
=伝達経路からターゲットまでの伝達関数(ハンマリング)
伝達力の求め方として、逆マトリクス法、動ばね法、直接入力法がありますが、今回は逆マトリクス法を使う際に重要となってくる、インジケーターの概要及び必要性の紹介をします。
伝達力が入力される経路周辺に追加で計測点を置き、各経路の伝達力の計算過程で複数の測定点から計算を行うことで、結果として伝達力を計算する際の精度が上がり、伝達経路解析も精度良く導き出すことができます。
この追加した計測点をインジケーターと呼んでいます。
上記モデルを使い、インジケーター有無の検証を実施しました。
① 各経路に対し三軸ピックを1点ずつ貼ったインジケーター無。
② 各経路に三軸ピックを1点ずつ+各経路周辺に三軸ピックを2点ずつ貼ったインジケーター有。
①と②でどれだけ精度に違いが出るか検証してみました。
※求めた伝達力の精度を比較するため、インジケーター無と有では伝達関数は同じものを使用しています。
伝達力×伝達関数からターゲットの振動数が計算できます。
この計算値と実働時の振動は理論上一致します。
もし、一致しない場合は「正しく経路に入る伝達力を捉えきれていないこと」が考えられます。
今回の検証結果をみてみると、インジケーター無しでは計算した振動と実働時の振動で波形が一致してないことが確認できます。
インジケーター有ではインジケーター無しに比べ波形が一致していることから、インジケーターが伝達力の計算精度に影響してくることがわかります。
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