2023/03/31 NV事業
家電製品には、使用時に発生する騒音レベルが表示されています。
騒音レベルは、測定した音を周波数ごとに重み付けを行い、合算した値です。
その為、音の大小を比較する事は出来ますが、音の周波数を比較する事は出来ません。
今回は、弊社でマイクロフォンを使用した騒音の測定事例を紹介します。
マイクロフォンを使用して測定・解析を実施する事で、音の大小だけでなく、周波数の把握も行う事が出来ます。
それでは実際に測定した事例を紹介します。
事例1. シュレッダー
シュレッダーの測定では、稼働させた時と紙を細断している時の音の比較を行いました。
マイク位置を次に示します。
各面の中央から1 [m] 離し、地上1.2 [m] の3点の平均騒音レベルで評価しています。
詳細は、ビジネス機械・情報システム産業協会規格の”JBMS-62”をご確認ください。
暗騒音と測定結果の差が10dB(A)以上あるため、補正を掛けずに測定結果をそのまま使用しています。
測定結果を確認すると、400Hz付近に稼働時には無かったピークを細断時に確認する事が出来ます。
そのため、音の大きさだけでなく高さも変わって聞こえます。
事例2. 空気清浄機
空気清浄機の測定では、2種類の風速設定で比較を行いました。
マイク位置を次に示します。
各面の中央から1 [m] 離した位置で、4点の平均騒音レベルに伝搬面積を考慮した補正値を加算したパワーレベルで評価しています。
詳細は、日本産業規格の” JIS C 9615”をご確認ください。
測定結果としては、風量を上げると全体的に音圧レベルが上がっており、単純に音が大きくなって聞こえます。
このように騒音レベルの差にも、新たなピークが発生して悪化する場合と全体的にレベルが上がる場合といった違いがあり、周波数を把握する事でこの違いを見つける事が出来ます。
また、騒音対策する上で、周波数を把握する事は重要です。
騒音対策は、使用する材質や構造によって効果のある周波数が変わる為、すべての周波数帯で効果がある訳ではありません。
弊社では様々な環境での振動や音の測定・解析を受け付けておりますのでお気軽にご相談ください。