2021/12/28 NV事業
今回は歯車が回転するときに発生するギヤうなり音について紹介します。
歯車はかみ合った状態で回転するとき、歯形の加工精度や傷が原因で騒音を発生させる場合があります。
この騒音はギヤうなり音と呼ばれ、歯車の回転数×歯数の周波数で振動騒音が発生します。
今回はFR車のリヤディファレンシャルで発生するギヤうなり音について実動時の波形と推定方法について紹介します。
まず発生しているノイズをカラーマップで表示することで、どの部品の回転に依存している現象かを確認します。
カラーマップを確認した結果、ドライブシャフトの回転235次、329次、376次の周波数で騒音が発生していることがわかります。
ドライブシャフト回転数に依存した周波数で発生する現象はドライブシャフトとプロペラシャフトなどが考えられます。
FRのリヤディファレンシャルは左右のタイヤの回転数を変化させるディファレンシャルギヤと回転軸を変化させるベベルギヤの2種類があります。
路面状況が左右輪で同じであり、直進する場合、ディファレンシャルギヤは回転しないため、同条件下で発生するギヤノイズはベベルギヤに原因があることがわかります。
今回測定した車両のリヤディファレンシャルはベベルギヤの歯数が47歯であり、カラーマップで確認した235次、329次、376次の成分はいずれも47の整数倍であることから、これらはリヤディファレンシャルのベベルギヤうなり音の高調波であることが推定できます。
「規則性のある周波数で騒音が発生しているのはわかるが、何が原因で発生しているかわからない」「周波数を特定できる計測器がないため、適切な対策が取れない」などありましたら、お気軽にご相談ください。